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リーバイス501ブラックは90S懐古の味

 以前何かの雑誌で見た記事に、これからはブラックデニムだ!みたいなのがあった。まあその雑誌が言うほどブラックデニムは流行っていないと思うんだけど、その文言は僕に刺さったんですよ。というのは、今から三十数年前、僕はリーバイス501のブラックを愛用しており、その記憶がその記事によって蘇ったからなのだ。


 当時も今もデニムの王道アイテム、リーバイス501。僕がよく見ている古着系YOUTUBEチャンネル、『古着屋パンダ』でもちょうど当時のデニムを履くという動画があがり、非常に楽しく見ることができた。

      ふんわりとした雰囲気もとっつきやすいので古着に興味のある方はどうぞ

  www.youtube.com

 今も僕は501を愛用しているが、持っているのは定番のレギュラーのインディゴのみ。だからブラックが懐かしくも新鮮に思われたのだ。そこですぐに検索してみるとないのですよ。どうやら黒の501って90年代独自のラインらしい。


 ではユーズドで探すかと思ったが、現在中古市場は高騰の一途をたどっているので、90年代の黒の501の状態が良いものは結構な値段がするのである。ああ、そうなると逆に欲しくなるよ!
 僕がそもそもその黒の501を買ったきっかけは、当時やっていたバンドのヘルプに来てくれたギタリストが黒の501を履いていたからだった。それを見てへえ、こんな501があるんだ、無茶苦茶かっこいいじゃん!と密かに思った僕は丸井のメンズ館あたりで見つけ買ったはずだ。この辺は記憶が曖昧なのだけれど、とにかく速攻で入手して履いていた。

 

 黒の501には染め方が二種類あって、糸を先に黒に染め、繊維を織っていく先染めと、プレーンな状態で後から全体を染める後染めというものがある。僕の履いていたのは先染めだ。先染めは裏地が白くインディゴ系と同様履いているうちに徐々に色落ちがするのだ。この先染めは生地感がものすごくよくて、いわゆるネップ(毛羽立ち)が少しあって独特の雰囲気を醸し出していた。ちなみに後染めは生地感の違いから僕はいまいちな印象です。なんかつるっとした印象なのですよ。


 あ、そういえば思い出した、確か新宿アルタに入っていた今は無きDEPTという古着屋に、紺色の特殊な染料でコーティングされた501が売っておりそれを買って僕履いていたなあ!

こういうやつですね。古着としてまだ存在していた!

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感想(0件)

今思えば変なパンツなんだけど、その頃はそれがお気に入りで後輩に「これからはコーティングっしょ!」と訳の分からない主張をしていたっけ。あと初めてリジッド(一回も洗っていない状態)で501を買って洗濯して縮んだことにびっくりしたっけ。そのデニム今残っていれば90Sの501としてそれなりの市場価値もあるはずだけれど、あの頃着ていた服は殆どどこかに行ってしまった。
 本当にいったいどこへ行ったんだろう。お金がないとき後輩にまとめ売りとかしてたからそうやって失ったんだろうけど、今思えば取っておけばよかったよなあ。NINとかナパームデスとかスレイヤーとかメタリカのバンドTも持っていたのにそれも見当たらない。それも今人気あるんだよね。モノってどこで価値が生じるかわからないねえ。

 

 閑話休題、黒の501の話。
 そういきさつもあって、僕は古着屋に入ると努めて黒の501を探し、なければ別のブランドの黒デニムをチェックしていた。まれに見つかることは見つかるんだけど、かなり退色してほぼグレーになってしまったものや、後染めのものしか見つからない。

 一方、並行して楽天でチェックしているとどうやらレギュラーでもブラックがあることを発見した。

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 リジッド(未洗い)の状態で今も買える・・・。でもどうしようかな・・・。


 話は変わるが良いデニムの一つの判断基準としては、裾をまくったときにセルビッジと言って生地の端っこが縫い合わされている状態がある。

                     こういうやつですね

           

 これだと裾を折り返して履いた時に、縫い代の糸の色(多くの場合は赤)がチラ見えしておしゃれなんすよ。一時期ユニクロがセルビッジデニムを安価で出して話題になったんだけど、実際履くとやっぱりなんか安っぽかった・・・。なんでだろう、ユニクロという先入観なのか、それともやはり生地のコストダウンがそこに現れているのか。あとやっぱ微妙にシルエットも野暮ったい印象だったな。


 ちなみに90Sの黒の501に赤耳はないので、裾はすべて脇割というロックミシンで縫った味気のないものである。でも僕当時そんなことはよく知らなかったので裾を折り返さずにジャストで履くものだと思っていたので問題なし。そんで今もこのパンツに関してはジャストで履きたいという思いもあってレングス30が欲しいのだ。

 その後たまたま寄ったオフハウスで半額投げ売りラックにこのLEEのデニムを発見。

   


 お、ブラックデニムが700円!買いっしょ!と僕はこれで黒デニム欲を満たそうと目論見ました。そこそこ色落ちしているが700円ならな。
 丈はジャストサイズ。股上は浅く、形は細身のテーパードで一昔前のデザインだが、スタイリッシュではある。


 ファッションの潮流って数年前からビッグサイズに傾いていて、よく知らないけどきっとヴェトモンとかがウルトラビッグサイズの服を展開していたあたりがきっかけなんでしょう。しかし僕はどうもビッグシルエットやダボついた服は馴染めないのです。この辺はやはり90Sからのジャストサイズ文化やピタT文化が染みついており、ナンバーナインとかディオール(もちろん持ったことはないが)なんかがスリムでカッコいい
服を作っていた時代が好きだからなんだろう。それは時代の感覚と結びついていて落とすに落とせないのだろうな。何言ってるのか良くわからないね。

 

 さて、一応ブラックデニムを手に入れたはいいが、それはやっぱりなんちゃってデニムであって、本物ではない。そんなところにあなた、先日近所の古着屋に行ったらしれっと黒の501が新品で売っているじゃないか!しかも値段7000円!やっぱり探していると巡り合うものですね。

 何気なくパンツのラックを見ていたら新品のレギュラー501が並んでいてその中にブラックがあったのです。メイドインメキシコではあるけれど、先染めで生地感も当時に近い。ポリエステルが1%混合されていてストレッチが効くらしい。コットン100%ではないけれど、90Sでもないけれど僕の欲しかった黒501に極めて近いではないか。そしてサイズも32×30が二本もあるじゃない!早速試着するとこれがもう素晴らしい履き心地とシルエット。ああ、懐かしい!そうそうこの感じだよ。鏡に映った黒の501を履いた僕の心は22歳に戻っていた。


 本来なら直ちにレジへと赴くのだけれど、どっこい今月は結構出費がかさんでいる。コペンは車検、オメガの修理代が莫大な金額に上る。加えて大量の服購入・・・。よし一旦家へ帰って金庫を確認しよう。パンツは二本あるし、ここで黒の501に価値を見出す人は明日までにはいないだろうと思い帰宅。金庫には思いのほか余剰金があったので買うことを決意し、とうとう手に入れました!

                 フラッシャー付きです。新品です。

      

 

        

 

                内側が白いのが先染めの証

        

ポッケのアーキュエイトステッチは黒。僕の持っていた501はオレンジだったような気もするけど、これはこれでカッコイイよね。

           



    着用写真がこちら。いやー、ブラック501、素晴らしい!イイネ!

   

 

 こんなに字数が行くとは思わなんだ