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トーマス・ドルビーいつ聴いても良い

 アラフィフのみんな~!トーマス・ドルビーを覚えてますか?
 僕が高校生の時、「彼女はサイエンス」で唐突に表れたこの天才に今なぜかハマっております。

               時折YOUTUBEで80Sの洋楽を観たりしているので、おのずとトーマスのこの曲も表示されるんだな。そして今聴いても素晴らしい。
 緻密に計算された音の配列がまさに「サイエンス」っぽくていいんですよ。PV中に出てくる精神分析医ふうのおじいさんが「サイエンス!」と叫ぶその声も、よくこの声質
をチョイスしたよなあ、と感心することしきり。この「サイエンス!」の声も様々なバリーエションがあって、強めのイントネーションや、語尾を下げるように叫ぶ言い方
などが工夫されてるんだよね。

 そんで極め付きが「She blinded me with science!」というタイトルコール。このおじいさんの所作と相まって、非常に良い味を出しております。ただ、僕は当時トーマスのアルバムを買うまでには手が回らず、この曲とその後に発表された「HyperActive!」を交互にビデオで観ていました。

                     世間的には「彼女はサイエンス」が一番有名な彼だけれども、この「ハイパーアクティヴ!」もすこぶる名曲だと思うのですよ。冒頭の、おそらくフェアライトシンセサイザーによってサンプリングされたスラップベースに、どん!どん!という重めのバスドラとアップテンポのビート、そしてトロンボーンやフルートで繰り返し奏でられる「パッパラッパッパッパー」というメインメロディの調和よ。


 ちなみにこのビデオの中で腕人形に扮したトーマスがトロンボーンを鼻で吹くシーンがあるのだが、メロディの最後にプワーみたいな感じで音が下がっていくんですよ。
そんで当時高校生の僕は吹奏楽部でトロンボーンを吹いており、その常識から音を下げるにはスライドバーを前方に伸ばす必要があると知っていたのだ。

 しかるにこのPVのトーマスは本来音が下がるはずの部分でスライドを上げており、「これじゃ音が下がるわけないだろ!」とどうでもよい突っ込みをしていました。


 あとは何かのラジオか何かで録音したからだろうか、「One of our submaline」などの素晴らしい楽曲も聴いていたのです。

                   そうそう、トーマス・ドルビーでアマゾンをCD検索すると「ザ・一発屋」みたいなCDに「彼女はサイエンス」が収録されており、彼は大変不名誉な扱いをされている訳で
すよ。ロマンティクスとかと同じ文脈で扱われてて少し悲しい。いや、ロマンティクスも好きですけど。

            今もこの曲をライヴでやり続けているようです

       そうして最近ベストアルバムと4Thアルバムを買ったわけ。「彼女はサイエンス」がシングルなのでベスト盤を買った方が手軽なのですが、改めて今彼のアルバムを聴い
てみると、さすがに1Stなんかは音質も悪く、80Sバリバリのシンセポップでいまいち聴けない。だが、「彼女はサイエンス」以降の楽曲はどれもが洗練されており、特に
3rdの楽曲に素晴らしい物が多かったね。買うかな。

    コーネリアスのリミックスアルバム「地球危うし!」はこのジャケットをパクったと思う

エイリアンズ・エイト・マイ・ビュイック

 一時期引退してIT関係の仕事で成功していたらしい彼は今も音楽活動をやっている。もともと薄めだった頭髪をスキンヘッドにしてました。ライヴでの「彼女はサイエ
ンス」の円熟を確かめてください。

       あと芋づる式にアダム・アントが表示され、今も頑張っていることを知った。僕にとっての彼のベストチューンは「アント・ラップ」です。この曲は今でもよく聴く。

                      そうやって80Sのバンドを見ていると、次から次へと思い出すあのころのバンド。例えばマッドネス。彼らはホンダ・シティという車のCMで「ホンダホンダホンダ
ホンダ!」と連呼し日本でも人気を博したが僕としてはこちらの「Our house」の方が好きです。

   それにしてもトーマスにしろ、マッドネスにしろ、数十年前のファッションであるにもかかわらず、とにかくカッコいい!トーマスがバイクに乗っている時のコートや、マッドネスのグレンチェックのジャケット、ホントにイカシテルヨネ。

 

  ただ、今の若い人たちから見ると古臭いのかなとも思うの。というのも、この間大学生になった甥っ子と久しぶりに会ったんだけど、彼の着ている服は今はやりのゆったりした感じの上着とズボンであった。GUとかがこういうのを中心に売っているのかね?その時僕はダルチザンのレプリカジーンズにジャストサイズのTシャツを着ていたのだが「あれ俺20代から服のテイスト代わってないけど、今となっては時代遅れか?アメカジおやじじゃね?」とか思ったもんね。背が高く、ほっそい体形の彼がリーバイスを履いてTシャツを着ている姿を想像できなかった。だから彼に会う前にはいらない服をあげようかななんて思っていたのだがきっと着ないだろうなあ、なんて思ったわけ。
 

 年を取るというのはこういうことなのでしょうか。まあいいや、あと最近非常にお気に入りであるこちらのシルヴィア・ドナティの楽曲でお別れです。いわゆるブラジリアンジャズの系譜ですが、聴いて数十秒で「これは名曲だ!」と久しぶりに思った曲です。みなさんも良かったらどうぞ。

                 

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