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叙述トリックから殊能作品回顧

 前回の記事で「パワードスーツ」という小説について書き、叙述トリック(簡単に言えば記述上のどんでん返し)を予想したらその通りだったということでした。

 とか偉そうに言ってるけど僕そんなにたくさんミステリを読んだわけではないので、もっと世にはたくさん叙述トリック作品、例えば有名な折原一氏などがいるのですが、手付かずです。いつか読みたい。

 

 さて、僕にとっての叙述トリック作家はなんといっても殊能将之氏だ。まず何といっても一番感心したのがこちらの「ハサミ男」。

 映画化もされたけれど、観ていない。つうかどうやって映像化したのだろう

ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

 

 著者の殊能将之氏は残念ながら故人です。

 美少女ばかりを狙い、その手口から「ハサミ男」と呼ばれた犯人。その犯人が次のターゲットを見つけ、血祭りにあげようとするが、少女は別の人間に殺されてしまう。そして自分に身に覚えがないのに「ハサミ男再び」と報道され、自ら犯人を捜すはめになる。

 これ以上多くは書きませんが、とにかくそのトリックに(叙述上の)気が付いた時の爽快な驚き!この本を読んでから僕は次から次へと殊能氏の作品を読んだものだ。彼の作品は何冊か出ているが、違う形での叙述トリックが使われたのがこちらの「鏡の中は日曜日」だ。

鏡の中は日曜日 (講談社文庫)

鏡の中は日曜日 (講談社文庫)

  • 作者:殊能 将之
  • 発売日: 2005/06/15
  • メディア: 文庫
 

  推理作家はその人独特のキャラクターを持っているじゃないですか。明智小五郎金田一耕助、ポワロ、ホームズ・・・なんか有名なキャラばかりだけれど、殊能氏も彼の作り上げたキャラ「石動戯作」がいる。

 ひょうひょうとした振る舞いで鮮やかに事件を解決する、どこか憎めない石動。そしてその頼りになる助手アントニオ。

 この話はかなり複雑に入り組んでいた記憶があるけれど、やっぱり「殊能作品おもしれえなあ!」と思わされたお話でした。石動(いするぎ、と読む)シリーズは他に「美濃牛」「黒い仏」「キマイラの新しい城」とある。

 その中で石動初登場作品「美濃牛」はえ!そんな殺され方!?と思ったが一応は金田一シリーズ的なテイストを保っており、ぐいぐいと読まされた記憶がある。

 

美濃牛 探偵石動シリーズ (講談社文庫)

美濃牛 探偵石動シリーズ (講談社文庫)

 

  その一方で「黒い仏」はもはや探偵小説の枠を超えてSFとなり、しまいにはH.P.ラブクラフトの「クトゥルフ神話」になるというとんでもない展開で、叙述トリックとは別の意味で衝撃を受けた。正直、リアリズムの中での探偵小説と思いっていたので途中から「おい、これ大丈夫か」とハラハラしながら読み進めた結果全然大丈夫じゃなかった!

黒い仏 探偵石動シリーズ (講談社文庫)

黒い仏 探偵石動シリーズ (講談社文庫)

 

  なんというか、昔、三池崇史氏の作品に「DEAD OR ARAIVE」というぶっ飛んだ映画があったのよ。それってクライマックス最後の10分くらいまではマフィアと刑事のクライムストーリーなんだけど、最後の最後での主人公と悪役の対決となり、腕がちぎれた主人公、突然背中の中からバズーカを取り出して現実描写を破壊!それに対して竹内力扮するマフィアの親分、かめはめ波を放って地球爆発!

 とにかく観客置いてきぼりの無茶苦茶な展開に爆笑したが、「黒い仏」も同様に本格ミステリを期待していたのに突然巨大なクモの化け物とかが出てきてズッコケた記憶あり。まあ、世にはいろいろな作品があるのですね。「キマイラの~」も輪廻転生とかになってもはや推理小説じゃなかった。犯人もそんなのアリ?という感じなのでした。

 

 と、ここまで書いてもう眠くなったので寝ます。まとまらなくてすみませんねえ。おやすみなさい。

 

なんだこの記事の終わり方

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