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アマプラ映画ディギング『グラビティ』ならびに『フレンチ・ラン』あと『レゴバットマン』

 アマプラに続々と日々追加されるコンテンツ。あまりに多くてその中から適切な作品を見つけるのがまた一苦労だ。途中まで観てはやめた作品がいくつもあって、そのままになっているものも多い。少々興味を惹かれて観てみるも、とんでもないものが少なくない。例えば『武器人間』とかさ。

 このタイトルは秀逸

武器人間(字幕版)

武器人間(字幕版)

  • 発売日: 2014/07/30
  • メディア: Prime Video
 

 

   ナレーションがまさかの大山のぶ代ドラえもんの声で『武器人間、見てねー!』

   

 僕が20歳の頃だったらこの作品を大喜びで観たろうが、今わざわざこの手の映画を観る若さと気力がないのですよ。早送りして観たもののそれでも途中でやめた!そんな中、観たこちらの作品はお薦めです。
「グラビティ」というSF作品です。まずどうして観る気になったかといえばその上映時間のお手軽さ。今時70分台ですよ。これならきっと最後まで観通せるだろうと思い、その予感は的中。

 ゼロ・グラビティとは一切無関係

グラビティ 繰り返される宇宙(字幕版)

グラビティ 繰り返される宇宙(字幕版)

  • 発売日: 2019/06/01
  • メディア: Prime Video
 

             何でサムネイルがよりによってこれかね

   

 ネタバレありますので、観ようかと思った方はとばしましょう。

 タイトな分、ストーリー運びが早く、飽きずに観られる作品です。いわゆるタイムパラドックス+宇宙という、すでに『インターステラー』で極められたようなテーマの洗い直しだけれど、低予算ながらもVFXはきちんとつくられていたし、宇宙船のデザインや雰囲気なんかも及第点の内容だと思います。グリーンデイのヴォーカルに似た主人公はイマイチ押しが弱いし、タイムパラドックスものとしてはだいぶ穴だらけな感じもする。普通、タイムパラドックスって必然的に起こることを前提として、その伏線をいかに上手に回復するかで作品の質が決まると思うんだけど、この作品はそういう部分の説得力が弱かったかなあ。

 

 未来に起こることが解っている場合、それは必然なはずなのだけれど、そのループの中で揺らぎがでるパターン、とでも考えればいいのかね。途中で未来の自分の死体を発見したクルーがパニックって「死にたくない!」とか言って殺人までして逃げたのに、最後はあっさりと船とともに自分の死を受け入れたり、主人公の元妻が説得によって考えを変えたりと色々と矛盾が多い。でもそんなことに文句を言わず、あるがままに受け入れたほうが面白いよね!そうそう、無名の俳優ばかり出ている中で、主人公の上司がマイケル・アイアンサイド

           若かりし頃のマイケル。ラスト、頭ボーン注意!

     

 僕のような映画ファンにとっては彼は親しい俳優だ。まずはスキャナーズの頭ボーン!から始まり、シュワルツェネッガーの「トータル・リコール」、そして「スターシップトゥルーパーズ」の鬼教官。ターミネーター4でも人間軍の将校として登場し、犬死をしていたっけ。彼がこの映画の中ではおそらく最も著名な俳優でしょう。ジャンル映画ファンとしてはたまりません。

 

 『フレンチ・ラン』はその評価の高さから視聴開始。いわゆるバディ・ムービーで、無鉄砲なCIAの諜報員と凄腕のスリという組み合わせ。こういう設定がストーリィ上で活きてくるのだな。 

フレンチ・ラン(字幕版)

フレンチ・ラン(字幕版)

  • 発売日: 2017/06/01
  • メディア: Prime Video
 

            イドリス・エルバ、いい顔してるよね

     
 こちらもテンポよく、だれることなく話が進むので観飽きずに最後までたどり着いた。こういうのを佳作というのでしょう。悪党があまりに行き当たりばったりに行動したり、皆手首の内側に入れ墨をしていてそれが元で身元がバレたりとその辺はお粗末だったけれど、護送車の中での乱闘シーンが非常に緊迫感があって観ていて久しぶりに面白いシーンをみたなあ、と思ったよ。ミッション・インポッシブルみたいな次から次へと豪華料理が出てくるという感じではないけれど、個人のお店に入って思いのほかおいしい料理が出てきた時のような感じ?この手の映画のセオリーとしての大団円もきちんとしている王道のアクション映画でした。これは観て損はないと思いますよ。

 主演のイドリス・エルバは『パシフィック・リム』で司令官を堂々と演じていたけれど、こういうアクションをこなすことが出来るのだと驚いた。


 あとは娘と見るために借りた『レゴバットマン』。

           吹き替え版で観たほうが多分面白い

レゴバットマン ザ・ムービー(吹替版)

レゴバットマン ザ・ムービー(吹替版)

  • 発売日: 2017/06/06
  • メディア: Prime Video
 

 

    

 レゴ映画シリーズにハズレなし。相変わらずの切れ味鋭いギャグに笑わされる。例えば映画の冒頭って必ず制作会社のロゴがいくつも登場するじゃないですか。それをバットマンがいちいち解説しメタフィクション的な笑いを生み出す。岡崎体育が「エクスプレイン」という曲で、詞内容や曲の構成をそのまま説明している感じに近い。バットマンが基地に帰る時の合言葉は「アイアンマンのバーカ」


 アメリカのギャグ映画のすごいところって、徹底的にギャグを飛ばしたりする一方できちんとシリアスな面も上手く扱っているところだと思う。バットマンは大活躍して多くの市民に感謝されるが一人豪邸に帰るとロブスターを電子レンジでチンして孤独に食事をする。何人も入ることができる豪華なミニシアターでトム・クルーズの映画を一人で観る。
 これはまあブルースウェインが家族を失い、二度とその喪失感を味わいたくないというところからきているんだけれど、それが逆に彼を単独行動に走らせてもいるのだ。だから仲間ができても最初は彼らを犠牲にするのが嫌で別行動をとったりする。しかし最終的には仲間に助けられ、彼は変わり、最後にはジョーカーとも和解してしまうのだ。サウスパークなんかもそうなんだけれど、さんざんくだらないことやっておいて、ホロリとさせる作品づくりが上手いのはやはり脚本家の層が厚いからなのでしょうか。

 『サウスパーク』のクリエイター、トレイ・パーカーとマット・ストーンなんかはこれに近い話作りをするのが上手い。

        これは「チーム・アメリカ」。とてつもなく下らないのが清清しい

     
 レゴバットマンではジョーカーが宇宙の果てにある悪者の牢獄からたくさんの悪役を引き連れてくるのがまた面白いんですよ。基本ワーナーの映画の悪役が出てくるんだけど、ヴォルデモートを始めとして、ゴジラらしきカイジュウそしてなんと『ロードオブザリング』の冥王サウロンの「目玉」が出てきて子供はきっとわからないだろうけれどもそれを知っている大人にはたまらない演出でした。

 

 あっ、だいぶ前にプライムでレンタルしたヴェノムが明日で期限が切れるのでこれから観なきゃ

kakuyomu.jp