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ナパーム・デス聴いときゃ間違いない 1

 僕が大学生の頃、20年以上前のことだけれど、ある後輩の家に遊びに行った。その後輩の名前はオジー平井(仮名)。なぜオジーかといえば、オジー・オズボーンコピーバンドのヴォーカルをやっていたから。まあそれはいいとして、彼の家に数人でゴロゴロしていたら、なんでも彼がマルイのCMにカメオ出演した(何かのアルバイトでたまたまエキストラとして映っただけ)という話になった。ぜひそれを見てみたいというと、そのCMを録画したビデオを見せてくれた。たくさんの若者がひな壇みたいなところで浮かれている。そしてその中にほんの一瞬だけチラッと映るオジー平井!そこにいたみんなは大爆笑。言われなきゃわかんねえ。

 

 アンディウォーホールはメディアの隆盛を予見し、誰もが15分間なら有名人になれると言ったが、彼も一瞬だけ多くの人の目に触れたわけだ。素人の知り合いがテレビに映るって面白いね。でも大金がもらえるなら別だけどさ、今、僕はテレビに出たいなんて思わない。

 

・・・しかしですね、かつては実家の近所で行われる駅伝大会があって、それが毎年テレビ中継されており、僕は弟と連れ立って沿道の人々に紛れ込んでなんとかテレビに映りこもうと色々と趣向を凝らしたことがありました。

 最初の年は派手なベネトンのセーターを着て、真っ赤な傘を持って現場へを向かった。晴天にもかかわらず傘をさしている僕を周囲の人は奇異の目で見ていたが、若かったので全く気にせず、今か今かと先頭ランナーが来るのを待っていた。するとテレビ中継車が必死の形相で走るランナーを撮っている!すかさず真紅の傘を開いて、激しくそれを上下させる僕!馬鹿か!

 携帯電話もなかった時代、映ったかどうか確かめようがなく、家に帰ってビデオを確認したところ、ばっちりと間抜けな姿が映っているではないか!当然家族で大爆笑。その後親戚からも電話がかかってきて「いまテレビ映ったよね!」などとお祭り騒ぎ。いい時代だった。

 

   はい、ここまでナパーム・デス全く関係なし!

         いつもの僕のブログの常套手段です。

 

 オジー平井の話に戻ると、その日は何故か彼が持っていたナパーム・デスのビデオをみんなで見たのだ。オジー自身は全くこの手のサウンドには興味がないのだけれど、一体どういう経緯で入手したのだろうか。とにかく「なるかみさん、こういうの好きでしょ」ということで彼が見せてくれたのだ。そう、僕はといえばそのころ猛烈な勢いでグラインドコア関係のバンドを漁っており、ナパーム・デスもその名前は知っていたのだけれど、実際に曲を聴いたことはなかったはずだ。そうした状況で見たこちらはすごいインパクトだった!

            ウルトラスーパーカッコいい!ぜひフルで見よう!

    

 とにかくこのステージから人がダイヴしまくるライヴの過激さ!そしてそれを当たり前のように身をかわしながらクールにプレイするメンバーたち。僕はこのビデオを早速借りてダビングし、ほぼ毎日のように見ていた。そして徐々に彼らのアルバムをそろえ始めたのだ。まず最初に買ったのはこちら、『ハーモニー・コラプション』

 まずジャケットがすごいインパクトだった

 音がまずすごい。このアルバム以前まで、僕はスラッシュメタルのザクザクいう整合性のあるカッチリとしたメタルを好んで聴いていた。

 しかし、このアルバムの彼らの音はとにかくゴワゴワとした何とも言えないディストーションサウンドで、ある意味こもり気味のサウンドとも言えた。しかしそれが逆に新鮮で、その分厚い音の壁に乗ったVOのバーニーの野太い声も圧倒的な迫力だった。やはり出自がハードコアなので、メタルの文法とは違った曲作りなのだ。そしてこの頃の彼らの一番の特色といえば、単音の気持ち悪いメロディのリフだろう。

        このアルバムのハイライト曲。かなり聴きやすいと思います

   

 タリリリリリイーラリィーラーという、1:56あたりの単音リフがいかにもこの時期のナパーム・デスという感じ。この頃はこういうリフを主体としたデスメタル然とした曲が多い。

 そうして現在も精力的に活動している彼ら。明日からは初期の破天荒な彼らを振り返りますよ! 

Harmony Corruption

Harmony Corruption

 

 

ナパームデスの話も多少したっけ?

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