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カテドラル/クリスタルウォリアー!

 ナッカンの家でカテドラルを初めて聞いた僕。1曲目のヴァイオレット・ヴォルテックス(なんてカッコいい曲名なんだ!)とRIDEでこのバンドは只者じゃないと確信した。

   でんででんででんででんででんででんででーええー(最初のリフを言葉で表現しています)

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 ※今日のこの記事を読むにあたって、できればこの「RIDE」のオープニングのリフの「でんででんででんででんで」という部分だけでも聴いてておいてください。後の伏線となりますので!

 

 3曲目の「ENTER THE WORMS」の異様に重くダークな雰囲気もよかった。

                  リーの動きがすごい

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 でーででででー、というイントロのなんとおっそいことか!

 そして、VOのリー・ドリアンのサビのウワーオ!というスクリームがおどろおどろしい雰囲気を醸し出し、ソロ前の一瞬落ち着いた雰囲気を見せるパートもカッコよかった。

 

 いやーすごい!すごいよカテドラル!とナッカンの家でひとり興奮する僕。ナッカンの反応はイマイチだったけどね。しかしこのアルバムは次の曲でピークを迎える。そう、ミッドナイト・マウンテンだ。

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 この曲はカテドラル流のファンクチューンだ。ファンクといっても軽さゼロ!リズムはつっつたん、すたんたたん!のように跳ねてはいるんだけれどもそこになんというか絶妙なモタりがあってそれがこの曲のヘヴィーさを倍増させている。オープニングのリーの「オウイエー!」というスクリーム、よく真似したなあ。

 と、ここまで散々絶賛してまいりましたが、僕このアルバムこの曲か、次の曲で聴くのやめちゃう・・・。これ以降、微妙に退屈なんですよ。でも最後のアコースティックの曲はやたらと美しく、この曲だけギターでコピーしたっけ。

 

 こうしてカテドラルにはまった僕はコピーバンドをやりたくなった。

 この当時、大学を卒業してフラフラしていたので卒業したにも関わらず大学のサークルのたまり場へ顔を出し、暇つぶしをしていた僕。そこで後輩たちを募ってカテドラルバンドを結成!僕は何をやったかというと、ドラム!

 

 このころ僕はドラムに興味があってエイトビートくらいなら叩けたのだ。そしてスローなカテドラルのドラムは僕にも叩けそうなレベルだったのだ。僕は家でスティックをもって雑誌をスネアやシンバルなどに見立てかなり練習をした。その甲斐あって足と両手が別に動かせるようになり、曲が止まらない程度にたたけるようになった。 

 ヴォーカルは今でも毎年バンドを一緒にやっているモモという男だった。

            シャイボーイをここで歌っている男です。ベースが僕

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 彼もまた破天荒な人物でエピソードには事欠かない。とにかく酒が好きで飲むとたまにトンデモない行動を起こしたりもした。酔って次の日何をしたか一切覚えていないという、あのタイプでもある。なんといっても彼の結婚式の時がすごくて、しこたま飲んだ新郎の彼は僕らに向かってなぜか最後は「帰れ!帰れ!」と絶叫していた。もちろん僕らは笑って挨拶した。それが彼だから!

 

 ある日サークルのたまり場でカテドラルバンドのミーティングをしているとモモが

「RIDEの歌詞わけかわんねえ!だって、クリスタルウォリアーとか叫んでるし」

と言って僕らを笑わせていた。その後僕らのあいだで少しこの

「クリスタルウォリアー」

というフレーズが流行った。

 

 その頃僕は塾でアルバイトをしていたが、初めて教える6年生のクラスに入ったとき、いきなり最前列の生徒の男の子が机に突っ伏していて困ったことがあった。どうやら他の生徒に何か言われて泣いたらしい。僕は面倒くさいなあと思いながら

「そのうちいいことあるよ」

と無責任なアドバイスをして平静を装い授業を始めた。とはいえ、やはり目の前の生徒が半べそかいているのも可哀想なので、彼を喜ばすために色々とギャグを飛ばし、努めて明るい方向へとクラスを持っていった。その甲斐あって、彼は大笑いをしていたが、実は結構オーバーアクションな奴で、全身を使って笑うような子供だったのだ。そして僕のトークがピークに差し掛かったとき腹をよじって笑っていた彼は足元に置いてあった缶ジュースを蹴飛ばし、中身をぶちまけたのだ!

「うわなにやってんだよー!」

あわてて雑巾を持って拭き始める僕。まずは倒れている缶を立てなければ!そしてその500ミリのサイダーのような缶を手に持った瞬間、僕の目に飛び込んできたその飲料の商品名が

「クリスタルウォーター」

だったのだ。それを見た瞬間、僕の頭の中で例のでんででんででんででんでという「RIDE」のイントロが鳴り響き、同時にリーの

「クリスタルウォリアーオブダムネイショーン!」

 という叫びまで聞こえてきて、思わず爆笑。

 生徒たちはなんで先生笑っているの、と不思議そうな顔をしているので僕がカテドラルの話をすると再び彼らも爆笑。楽しかったな。

その後、僕のあだ名はしばらく「クリスタルウォリアー」だった。

 

 実はこのCDは持ってない

ENDTYME

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だからこの話、こういう友人たちのエピソードを織り交ぜています

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