メタリカが去年、ヘヴィメタル史上に燦然と輝く大傑作「MASTER OF PUPPETS」のリマスターを含むボックスセットを発売した。
メタル・マスター(リマスター・デラックス・ボックス・セット)(限定盤)
- アーティスト: メタリカ
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2017/11/22
- メディア: CD
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豪華極まりないセット内容で欲しいとは思ったのだけれど30000円。高いですう。しかもレコードを聴く環境が僕の家には整っていないので(どうしようもなくショボイ、スピーカー内蔵のプレイヤーならある)ほとんど食指は動かずに以下のジェームスヘットフィールド本人が開封している動画を見て「へえー」などと思っていたのだった。
「へえー」と思っただけで買えない。
この「メタル・マスター」(邦題)というアルバムは少なからず僕の人生に影響を与えているアルバムだ。
おそらくこのアルバムを聴いていなければスラッシュ・メタルを聴いていなかったろうし、その後の数多くのメタルバンドも聴いていなかったろう。
とにかく僕が人生で一番よく聴いたアルバムがこの「メタル・マスター」であることは間違いない。 死ぬ間際にもそのことをふと思い出すかもね。
また、このアルバムによって出会った友人が何人もいるのだ。
大学二年生になる頃、猛烈にメタリカバンドをやりたかった僕への賛同者はゼロ。まだあの頃(1990年前後)はメタリカは(僕の周りに限っては)異端扱いで、(僕の周りの)正当なメタル信奉者からすれば「うるさい・やかましい・暴力的」というイメージを持たれていた。サークルの合宿で僕はひとりベースをブリブリ言わせて「スラッシュやりてー!」とうろつき、笑われていたものだ。
さて桜咲く4月の新入生勧誘の時期、僕は相変わらずひとりでメタリカ騒ぎをしていた。サークルに割り当てられた勧誘スペースで、スキを見ては爆音でこの「メタル・マスター」をかけていたのだ。一曲目の「バッテリー」のサビでジェームスが「ばてりー!」と叫んでいるところを聴いた皆は大笑いしていた。この程度でも当時は相当なインパクトがあったのだ。
しかしこの音楽に反応した二人組が棒のサークルに加入し、彼らと1年後にようやくメタリカバンドを組み散々色々な曲を演奏することができた。そのビデオが今でも残っていて、それは僕の一生の宝物に等しい。そしてギターを担当していた後輩は今でも付き合いがある。最近はとんと会えていないけれど。
彼らがいたことで実に楽しい大学生活を僕は送れたと思っている。
そうしてついに僕はこのアルバムを題材とした小説まで書いた。読んで!
毎日くどいくらいにこのブログで宣伝しているこの小説、現在5905PV。全121話、文字数にして約18万。文学少女がメタリカを弾き、自己実現していくという突飛な話。ある時期の僕の全身全霊を込めた作品です。冒頭から「バッテリー」を流しています。
この小説こそ「マスター」アルバムがなかったらあり得なかった。多くにおいて僕はこのアルバムから、メタリカからインスピレーションを得ているのだ。
かように僕の人生に影響を与えた「メタル・マスター」がリマスターされているのだもの、せめてそれだけは買わなくちゃ!
ちなみに「リマスター」というのは特にメタルミュージックにおいてはよくあることだ。メタルサウンドというのは音質(特にギター)によって印象がかなり変わるので、ファンとすれば音質が向上したものを聴きたいと思うのは当然である。考えてみればこういうのって一般の音楽リスナーにはあまり馴染みがないだろうな。普通、ギターの音とかドラムの響きとか、ベースが聴こえるとか気にしないじゃん!
しかしメタルファンにとってはこの音質というのは非常に大きなウェイトを占めているのだ。どんなに良い曲でも、音質、いわゆるプロダクションがダメだとそれだけでアルバムの評価が変わってしまうのだ。その良い例がメタリカの4TH「メタル・ジャスティス」だろう。だってドラムの音とかひどいんだもん!ベースはほとんど聴こえないし。
「メタル・マスター」に話をもどすと、このアルバムは当時からするととんでもない重さとスケール感を持ったサウンドであった。今でこそ最新の録音技術で数多のバンドスケールのでかい音を鳴らしているがそれと比較しても「メタル・マスター」は全く引けを取らないプロダクションだ。
このように既に完成されたkのアルバムのサウンドをさらにリマスターしたらどうなったのか。まず先行発表された「ディスポーザブル・ヒーローズ」
を聴いて「おお!?なんとなく音がクリアーになっているぞ」という印象を受けた。買わねばなるまい。でもボックスセットは買えない。アマゾンで調べると単品でしかも1000円位で売っているではないか。僕はアメリカのアマゾンに注文したよ!
MASTER OF PUPPETS (REMASTERED) [CD]
- アーティスト: METALLICA
- 出版社/メーカー: BLACKENED RECORDINGS
- 発売日: 2017/11/10
- メディア: CD
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そうして数日前に同時に注文していた映画「BOXTROLLS」とともに海を越えて田舎の僕の家へとやってきた。
無茶な取り合わせ
「BOXTROLLS」に関してはまた後日。リマスターアルバムは紙ジャケ見開きだった。
あんまりデザインに関してはヒネリなし。ボックスセットの豪華さに比べるとさみしい
よし!聴くぞ!でも悲しいかな、僕の家には良質なサウンドシステムがない。一番良いスピーカーは愛車コペンのカーステレオ。しかしこの時点でコペンは故障しており、代車の軽トラしかない。聴けない。仕方がないのでパソコンで安物ヘッドフォンを通して試聴。
ロロン・・・ロン・・・ロン・・ロロン・・・
ああ、聴こえてきたあの「バッテリー」のガットギターの静謐な調べ。そうしてドーン!とくる重厚なギター!
しかし・・・事前に旧マスターを聴いていなかったからか、一曲目の「バッテリー」にはほとんど違いを感じられなかった・・・。
そして次の名曲「マスター・オブ・パペッツ」!以下に比較動画を載せてみます。
一曲が8分あります
実際ほとんど違いがわからん!印象としてはリマスターのほうが音がクリアーになり、エッジが立っているくらいの印象。音圧も多少増しているだろうか、前に迫ってくるようなサウンドではある。だがしかし!
意識して聴かなきゃわかりませーん!
ゆうに数百回は聴いているだろと思われるこのアルバムだけど、そんなもんかい、僕の感想は!もっとハイレベルなサウンドシステムで聴きたいよ!絶対違うはずでしょ。
やはりリ・レコーディングしてくれないと劇的な感動は無理ですね。でも当時のサウンドというのはその時点での彼らの若さや熱量が込められているのだから今録りなおしたところで別のものだ。そしてメタリカの現在は「ハードワイアー」なのである。
ちなみにスーサイダル・テンデンシーズは一時期しょっちゅうリ・レコーディングをして僕を喜ばせてくれた。下のアルバムなんかまるごとやり直し。
ああ懐かしい
上記のアルバムを、新たなメンバーでお金をかけて取り直し。
同じ曲なのに違いすぎるでしょ。
アンスラックスなんかも同じようなことやってる。でもメタリカはやらないよね。そんなヒマ無いだろうし、今更「マスター」をどうこうでもないだろうしね。
とはいえ、音質の違いがわからなくったって僕はこれからも「メタル・マスター」を聴き続けることに間違いはない。実際ここ2日で3回聴いてるしね!
メタリカ最高!
なんかすぐ圏外とかになっちゃう。お願い、押してください!