音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

九段下にある昭和館という本気の博物館

 地下鉄でゾンビに遭遇したりしながら、着きました昭和館

www.showakan.go.jp

           館内パンフがやたらと充実している。

       f:id:otominarukami:20171101215200j:plain

 

 友人たちとは年に2~3回会うのだけれど、その都度東京を散歩し博物館やら面白スポットやらをいい年してめぐる僕。今年のGWはこんな感じで。 

otominarukami.hatenablog.com

  

 モヤさまフリークの僕としてはこういうマイナースポット(失礼)を訪れて楽しむのが定番。今回は目的地の有楽町の途中にある場所であり、入場料も300円と安かったので気軽に来訪。これが甘かった。

      まずは入口の記念スポットで撮影。後にふざけを後悔。看板の絵が、もう。

        f:id:otominarukami:20171101215104j:plain

 

 エレベーターを上がり、7階へ到着するとこのようなスポットがあるので撮影。

 

           後にふざけを後悔。つって写真は載せてるけど。

       f:id:otominarukami:20171101215328j:plain

 

 内部は撮影禁止だったので、いきおい鑑賞が中心となる。「昭和館」という博物館名だが、実質は太平洋戦争中の日本の生活の紹介がメイン。だからパンフにも「戦中・戦後の国民の労苦を次世代に伝える国立の施設です」と書いてあり展示は本気度が高い。靖国神社が近くにあるという立地も意味があるのだろう。

 だから昭和のノスタルジーとか、古き良き時代、とかを期待していくと冷水を浴びせられる。それを味わうのなら上野の風俗博物館や柴又の寅さん博物館、お台場に行くべきだろう。

 冒頭から「家族の別れ」というエリアになっておりそこに展示してあるのは千人針や召集令状、血書といった悲痛な思いのこもったものばかり。これを持っていた人で、無事に帰れた人はどれだけいたのだろうか。

 

 数多くの映画や書物で戦争の悲惨さは知っていても、どこか別世界の話だとしか思えない。それほど幸せに僕は生きてきたが、この展示を見るとつくづく時代性の恐ろしさや運命といったものを考えてしまう。展示はこれ以降も戦争の悲惨さを伝える内容が続く。見ている僕ら、言葉少なになる。

 確かに次世代の僕らに労苦は伝わる。友人の若い妻は再び来たいという旨のことを言っていた。

 

 僕の読んだ中での戦争の恐ろしさを感じた本をいくつか挙げてみます。

 吉村昭は『戦艦武蔵』が有名だけれど、こちらの短編集もすごい。「艦首切断」が評判だが、僕は「敵前逃亡」にものすごいショックを受けた。

空白の戦記 (新潮文庫 よ 5-9)

空白の戦記 (新潮文庫 よ 5-9)

 

 こちらはあまりにも有名だろう。映画はまだ途中までしか観てない。

野火 (新潮文庫)

野火 (新潮文庫)

 

 あと二冊ほど。

桜島・日の果て・幻化 (講談社文芸文庫)

桜島・日の果て・幻化 (講談社文芸文庫)

 

 

 「暗い絵」は 冒頭のブリューゲル的絵画の解説からしてそれこそ暗い。「顔の中の赤い月」は戦後の話だが戦争が人に与える影響を日常生活の中で描き出した傑作。僕これを初めて読んだときはえも言われぬ感動に包まれた。

暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)

暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)

 

 

 さて、たまには真面目に考えたりもしますが、ユーモアも必要。結局こんな写真はとったりして。

 防空壕での緊張した時間。近くのボタンを押すと空襲警報が鳴り響き、びびる。先日のJアラートがなった時のテレビが全て真っ赤な警告画面になった時の恐ろしさを思い出す。階下には体験コーナーがあり、コスプレも可能。でもやはり多少気分が落ち込む感じ。

  f:id:otominarukami:20171101222536j:plain f:id:otominarukami:20171101222815j:plain

 

  さて、その後昭和館をあとにして有楽町でもう一人の友人と合流、久闊を叙し、盃を交わす。その後4時間ほどぶっ続けでトーク。話はドストエフスキーからブレードランナー、マイケルシェンカーからビートルズ、ドラムの叩き方、ベースの弾き方、子供の成長などキリがない。しかしやはり大学時代の友人とのおしゃべりが一番楽しい。興味関心が近い上に同時代を生きたという友人たちはそれこそ人生における宝物だ。今の時代に生まれて幸せだと、虹の足のふもとにいる自分に気づく。

 

古事記の神様とバンドマンが荒ぶる神と戦う話です。頓挫してるけど。

kakuyomu.jp