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僕の持っている風変わりなデスメタルのCD

 デスメタル・・・なんという素晴らしい響き。

 腹の底にどーんと来るようなこの言葉、数あるヘビーメタルのジャンルの中でも特異な分野に位置する。デスメタルもさらに細分化してメロディックデスとかシンフォニックデスとかデスコアとか色々あり、百花繚乱。

 デスメタル関係のHPやブログを見ていると一体どういう情熱でこれだけのアルバムやバンドを調べ上げ、聴いているのだろうと畏怖の念を抱くくらいにどっぷりハマっている方々がいらっしゃる。

 僕もかなりデスメタル好きではあるが、四六時中聴くほどではないし、第一飽きちゃうよ。だからメインストリームのデスメタル(まあ、これだって一般の音楽からすればサブストリームだけれど)を中心に聴いているのだけれど、昔はCD屋で直感的に購入したり、気の迷いで買ってしまったCDなんかも沢山あるんだよね。そうして、「こんなの聴けねえ!」となるようなバンドも沢山いる。速くてうるさければいいってもんでもないのだ。

 

 さて、そういうふうに僕の手元にあるCDの中でも特にヘンなバンドを紹介します。きっと日本で10人くらいしか知らないバンドでしょう。

 

 まずはこちらのバンドのジャケット

 

 「PSEUDOSTRATIFFIED EPITHELIUM」という読む気の失せるバンド名。そもそも読めない。

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 デスメタルバンドやブラックメタル系のバンドのロゴ、かなりの高確率でギザギザ、トゲトゲです。そして、解読不能。ちなみにこのバンドはコスタリカのバンドらしい。コスタリカってどこ?「水曜どうでしょう」で大泉洋がケツアールという鳥を写真に取りに行った国としての認識しかない・・・・南米の国ですね。

 最近はアフリカのメタルを紹介する方などもいらっしゃって、

 

              タモリ倶楽部にも出演!

デスメタルアフリカ 暗黒大陸の暗黒音楽 (世界過激音楽1)

デスメタルアフリカ 暗黒大陸の暗黒音楽 (世界過激音楽1)

 

 

 英語圏以外のメタル文化も少しずつ知ることができるようになっている。

 僕はこのCDをコスタリカデスメタルという情報のみでオークションで落札したんだけど、驚いたのは他にも入札者がいたことだ。結果1000円位で落札したと思う。さて、そうやって我が家に届いたPSEUDOSTRATIFFIED EPITHELIUM、どうだったかというと、

 

                  ツマンネー!

 

 の一言に尽きる。音質ブアーブアーみたいな感じで初期サフォケイションの音をさらに極悪にしたような音。ほとんどの方には意味不明の引用ですが、要は音が悪い。そうして単音の間抜けなリフが何度も繰り出される。どうやら彼らはその単音のリフのメロディをいたく気に入っているらしく、事あるごとに一曲目で繰り出すのだ。別のフレーズに入っても「どうせまたあのリフ来るなー」と思って聴いていると案の定そのフレーズが!もう呆れるのを通り越して笑ってしまう。それだけの価値のアルバムでした。一応内容を確認するためにさっき久々に聴きかえしたけど、おそらく二度と聴かねえ。

 

 

 さて、突然ですが、ギロチン/GUILLOTINEってバンド知ってます?知らないよね。いや、知っていたらむしろビビるんだけど。同名のバンドでそこそこ有名な人たちがいるけれど、それとは違います。まあ、ご覧下さい、どうしようもない感が漂うこのジャケット。

 

Bring down the curtain (1989)

Bring down the curtain (1989)

 

 

 今から20数年前、大学生のとき、僕がいたバンドサークル内でデス/スラッシュ/グラインドコアメタルがやたら流行っていた。そうして、みんなこぞってタワレコHMVでマニアックなデスメタルとかZ級スラッシュメタルのCDを買って、トンでもなくヒドイバンドを発見しては笑っていた。

 その頃、デスメタル系のレーベル、イヤーエイクがばんばん良いバンドのアルバムをリリースしていたので「おお、デスメタルなんか凄いことになってるなあ」という時代の空気を勝手に僕らは感じていたものだ。カーカスやナパームデス、エントゥームド、テロライザー等そのほか現在でも活動しているバンドがイヤーエイクから次々を出てきたのだ。

 そういう中で、友人の一人が発見したのがこのギロチンだったのだ。

 

 このバンドは別の意味で僕らを夢中にさせた。

 とにかく、間抜けだったのだ。まあ、ジャケットからしてそうだし、「ギロチン」という響きもアホポイントが高い。そして、一曲目から酷かった。延々ギター一本でアルペジオを奏でるんだけど引っ張りすぎなんだよね。そのアルペジオがまたツマらねーの。なんというか、メタリカの影響が大きいと思うんだけど、最初にクリーンなトーンで始まり、その後ドーン!ってディストーションギターがかぶさってくるパターン。素人がやると全然ダメなんだけどね。

 で、このギロチン、退屈なアルペジオが終わったとたんようやくバンドサウンドに入るんだけど、その曲のリフがまたこちらの予想を上回るカッコ悪さ!血眼になって動画を探したんだけど、その曲だけなぜかアップされていない!あーみんなに聴かせたいよ!

 字で表現すると「ウワウワウワウー、ウワウワウワウー」みたいな感じのリフなんですよ。

 

あー本当は一曲目を聴いて欲しいんだけどな!この曲は普通の80Sダメスラッシュデス。演奏とか不安定すぎる。しかもこの曲無駄に長い。いろんな曲をムリヤリくっつけたヤケクソスラッシュ。

       www.youtube.com

 

 あの頃、友人の家でみんなで集まって毎日のように飲んでいたんだけど、そのリフが流れる度、全員で爆笑。「ギロチンしかねえ!」とか言いながら酒飲んで笑ってたあの頃が僕のゴールデン・エイジ。

 

 このギロチン、あの当時数多いたスラッシュメタルバンドの中でもかなりの底辺に位置していたと思う。多分僕らに一番人気があったんだろうな。

 その後、僕らは卒業して黄金時代は終わりを告げたのだけれど、特に仲の良かった四国に帰った後輩とは、たまに手紙をやり取りして、お互いの近況を伝えあっていた。まあ、その手紙もギャグ合戦みたいで面白かったんだけど、あるとき僕はCD屋で例のギロチンのアルバムを発見したのだ。800円位したけれど、僕は迷わず購入し、四国の彼に送りつけた。封を開けた瞬間の彼の爆笑する姿が思い浮かんだ。

 返事には「僕の家には何故か2枚のギロチンのCDがあります」と書いてありそれも可笑しかったのだが、なんと奇跡的に僕はもう一枚ギロチンを別のCD屋で発見したのだ!どういうことなのだろう?ギロチンの呪いか?そして当然そのCDを買い、後輩に送りつけた。手紙を出しながらニヤニヤしたのはあとにも先にもこの時だけだった。今度会うときにはCDもってきてもらおうかな!

 

まだ他にもヘンなメタルバンドあります。またあした。

 

メタル最高!

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