僕は中学高校にかけて様々な洋楽を聴いて育った。基本的にはニューウェーヴ系のバンドを中心に聴いていた。
高校に入学と同時に、デュラン・デュランのジョン・テイラーに憧れていた僕はすぐにベースを買って、毎日のように練習した。自己流で頑張った結果、そこそこ弾けるようになり、当時好きだったキュアーのコピーバンドを結成、甚だしくクオリティの低いライヴを展開したりしていた。
その頃は他にも色々とバンドをやっている友人たちがいた。特に隣のクラスのI君はギターが上手と評判で、「ラウドネス」というバンドのコピーをやっていると評判だった。僕は一緒にキュアーバンドをやっていた友人とそのI君のライヴを見に行き、度肝を抜かれた。
とにかく、うまいのだ。今思い出しても彼らはうまかったと思う。その時にやっていた曲が以下の数曲。これを一気に彼らは演奏していたのだ。
ちょっと量はありますが、どの曲も名曲ぞろい。ラウドミュージックに耐性がある方なら十分聴けると思います。
途中のギターソロの印象的フレーズにビビった。次の曲がこれ。まさかの「SPEED」!
このリフも天才的だ。しかも後半のベースソロ、僕よりあとにベースを始めた隣のクラスのD君が完璧に弾きこなしていて、僕は「やられた!」と打ちのめされた。
この曲はラウドネスのレパートリーの中でもかなりの難度を誇る曲。しかし、ギターのI君は難なく弾きこなし、D君がユニゾンでこのリフを弾いているのを見たとき、またしても僕は「やられた!」と思った。サビのベースのフィルインがまた目立ってカッコよかった。
最後にこの曲「LOUDNESS」でシメ。
とにかく彼らはダントツだった。僕のやっていたキュアーバンドがとてつもなくショボく思えて、帰りの足取りは重かった。
それ以来僕はラウドネスが気になり、同時に日本のヘビーメタルバンドにも興味を持つようになったのだ。それが大体80年代の終わり頃。
当時はキャリアの長いラウドネスとは別に、アンセム、リアクション、サブラベルズというバンドがジャパメタ三羽烏(だっけ?)と呼ばれ、他にもデッド・エンドやフラットバッカーといった活きのいいバンドが群雄割拠していた時代だった。今はネットがあるが、その当時の情報源といえば主に「ロッキンF」という音楽雑誌だった。
ロッキンFはジャパメタ御用達であったので洋楽メタル志向の「BURRRN!」あたりからは結構毛嫌いされていたようだ。まあ、どちらも読んでいたんだけど、この頃は僕はどちらかといえばロッキンF派だった。
一番好きだったのはやっぱりアンセムかな。特に2NDアルバムの『タイトロープ』は名作でかなり聴きこんだっけ。
一曲目の『VICTIM IN YOUR EYES』がいきなりガツンとくるのだ。
『ナイトアフターナイト』や『ブラック・アイド・タフ』なども良かったけど、特に好きだったのはB面一曲目の『ドライヴィング・ワイヤー』だった。当時はこれをパワー・メタルとか言っていたっけ。
どこたかどこたか!今聴いても十分に速い。マッド大内のツーバスが鳴りっぱなし。客観的に考えると、坂本エイゾーのVOはやっぱり少し苦しいな。
途中のブレイクダウンがアイアンメイデンみたいだと当時仲間内でギャグになっていた。
まあ、他にもリアクションなんかを書くとキリがないので今回はこの辺で。
この辺のバンドの音源は主にCDで持っていたんだけど、弟と共有だったので今手元にありません。でも、レコードが何枚か残ってる。
うわ、懐かしい!という方もいるんじゃないですか。順次細かく見ていきます。まずはダサジャケ選手権を開けばかなり上位に食い込むんじゃないか、アンセムのこちら。
こんなん持ってたんだなあ。もはやどんな曲だったか覚えていない。それにしても、よくこのジャケットで出したな。とにかくダサい。メンバーはどう思ったんだろう。意外にベースのナオトあたりが「おお、これいいね!」なんて言ってたりして。
以前にも紹介した「RAZOR」のジャケットに通じるものがある。人はみな、ターミネーターなのだろうか。
ちなみにこのレコード、カラーです。無駄にカッコいい。
次に埼玉メタル界の至宝、サブラベルズ。
これは確かセカンドアルバムで、メジャーから出たんじゃかなったっけ?特定の電話番号にかけると、このアルバムの曲を聴けるというキャンペーンをやっていて、何回かかけて聴いた気がする。特に二曲目の「ブラック・アイアン・ホース」は名曲。
ヴォーカルのキイチの裏声唱法が独特だ。確かサブラのバンドスコアにヴォーカルの音程が「採譜不可能」と書かれていて弟と笑った記憶アリ。
ちなみに、このアルバムのジャケット、中央部を拡大してみると・・・
一億人ぐらいいると思われる会場に降り立つ五人の姿!ねえ、これサブラ?サブラなの?あまりにスケールの大きい彼らの野望(もしくは理想)に驚愕&失笑。
メタル系のジャケットは大仰なものが多いが、ここまで夢を押し広げたバンドはサブラベルズだけだろう。中ジャケも結構な迫力。
色んな写真をコラージュするのは定番。アーティスト写真もこれぞ80Sジャパメタスタイル!
なぜ彼らは皆こぞってスパッツを履いていたのだろう。そしてどこで手に入れたのだろう。僕は当時かなり疑問に思っていたのだが、その疑問は未だ解けない。
ヴォーカルのキイチはベースの名手だった。
まだまだ続きはありますよ。
メタルを聴き続けた僕のひとつの到達点。