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90年代以降のロックを振り返る試み 1 ミクスチャーロック/レッチリ・フィッシュボーン・・・

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 僕は音楽を食って生きている。

 大げさだけど、多分そういう人はたくさんいると思う。その嗜好は人によりけりだと思うが、僕、わりと好き嫌いはない方だ。なんでも食べる。その中でも大好物は、開高健のいうところの「新しい天体」とでもいうか、とにかく聴いたことのない音楽だ。以前にもこんな記事を書いた。

otominarukami.hatenablog.com

 とにかく、聴いたことのない音楽を聴きたいのだ。アヴァンギャルドとかじゃなく、正当なロックの流れにおいて。

 ところがここ最近、そういうバンドが少ない気がしてならない。僕が上手く探せていないのか、メインストリームとしての大きな流れが停滞しているのか。

 〇〇以前、〇〇以降、というタイプのバンドや動きが見えないのだ。ネットを駆使すればそんなことはたやすいと思うのだけれど、そうやって探してみても「こんなの聴いたことない!スゲエ!」というのは本当に少ない。年取って感動が薄れたのか?

 

 ちなみに直近で思ったバンド。まずはスクリレックス。KORNとの共演で一気に有名になった。そしてこれを聴いたときは久しぶりに衝撃が走った。すぐにアルバム買って聴きまくった。

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って、これもう2011年の曲だった・・・もうそんなに経つのか。

それからこれも既にビッグネームとなっているブリングミーザホライズン。

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彼らは確実に後進に強い影響を及ぼしている。バッド・オーメンなんか、まんまコピーバンドでびっくりする。でもこれも2013か・・・。去年出たアルバムもムチャクチャ聴いて、娘とふたりでTRUE FRIENDをよく大声で歌ったものです。

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このビデオはよくできている。他にもいい曲は多いけど、今回は割愛。

一番最近これはいいな、と思ったのは何回か貼っているジェイミーXXの「GOSH」

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 これはもう何度見てもすごい。曲と映像がベストバランス。なんらかの賞をもらっているし。本業のほうのTHE XXは僕あんまりなんだよな。

 

 とりあえず思いつくのはこれくらいだ。これからも探し続けます。

 

 さて、じゃあ、今大きな流れが見えないので昔僕がリアルタイムで見て、感じた大きな流れのバンドたちを思い出と共に紹介したい。

 僕が最初にロックに流れがあると感じたバンドが表題のレッチリだ。はじめて聴いた曲は「ファイトライクアブレイブ」。深夜の音楽番組でほんのちょっと流れただけだったがインパクトは凄かった。

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今聴いたってなんの遜色もないほどカッコいい。途中で入るフリーのベースソロにやられた人は多いはずだ。彼らの有り余るパワーが画面から伝わってくる。当時、僕も若かったから常にこんなふうに体を動かしていた気がする。

 その後すぐに『母乳』アルバムが発売された。バンドサークル仲間でかなり話題となり、みんなで伝説のクラブチッタ初来日ライヴを見に行った。関係ないけど行く途中、バイクで事故って血を流している人を見た。

 前座に出てきたのはなんとベリー(後のマッドカプセルマーケッツ)。ただ当時は彼らバクチクみたいな音楽だったと思うのでレッチリを見に来た客には受けはイマイチだったと思う。しかし何がすごかったって、いきなり彼らの演奏中に、レッチリのメンバーが(誰だったかは忘れた)がステージダイヴ!それですごい盛り上がったっけ。

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 多分、この中のどこかに、僕はいる。

 とにかく、ラップ、ハードロック、ファンクそのほかごたまぜのバンドなんて当時はいなかったからとにかく凄かった。彼らを聴いて、当時の僕らもなんでもアリのオリジナルバンドを始めたが、結局芽は出なかった。

 当然、雨後のタケノコのごとくフォロワーが登場。そういうのも一応聴いてた。

 キングオブザヒルとか

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スキャターブレインズとか

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この曲が一番好き。なんだかんだ言って彼らのアルバム全部持ってた。

そういえばグリーンジェリーなんてのもいたなあ。

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なんか今でもやっているみたい。このバンドはアルバムをビデオで出して、僕それ買った。結構何度も見た。いい曲多いですよ。

 とにかくフリースタイルという言葉ができるくらいフリーのスラップ×ジョンのカッティングは強烈だった。そうして今でも現役バリバリだ。

 ところで、同時期にミクスチャーロックといえば彼ら!というバンドがいた。そう、フィッシュボーンだ!

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 フィッシュボーンといえばまずはこの曲だよ。今でもモヤさまで魚が出てくると必ずこの曲がかかる。とにかく、レッチリ以上の雑食性。スカ・レゲエがベースになっているんだけど、あらゆる音楽を飲み込んで混沌としたロックを奏でていた。レッチリの3RDの最後の曲にも参加しているので、当時彼らは同じジャンルの開拓者として仲が良かったようだ。一緒にどっかのライブハウスで遊んでいる映像も見たことがある。だが、悲しいかな、あまりに売れたレッチリに比べて現在も活動してはいるものの、知名度は低いまま。いい曲・いいアルバム多いのに。バンド仲間ではこの曲がかなり流行っていた。

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この曲はミクスチャーロックのひとつのエポック・メイキングだと思うんだけどどうだろう。そしてこの曲ですでに彼らはその後のメタル化への布石を打っている。だってこの曲に至ってはほぼスラッシュメタルだし・

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この曲プロモがあったはずなんだけど、今は探しても出てこない。

フィッシュボーンも二回目の来日は行った。日本青年館でやったんだけど、あそこは全席指定で、椅子に座って見るはずが前座のレピッシュ!でいきなりみんな前に出てきちゃってオールスタンディング状態だった。まず前座のレピッシュで驚き、感動した。

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この当時のレピッシュの勢い、すごい。そんでこのあとフィッシュボーンという夢のようなコラボ。ボーカルのアンジェロもステージに降りてきてガンガン歌ってた。とにかく凄かった、という印象しかない。

 

 さてミクスチャーといえば忘れてならないのはフェイスノーモア。

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この曲のラップ部分がアンソニーぽくって当時なんかレッチリの真似じゃねえか!と思っていたんだけど、VOのマイクパットンの変人ぶりを知るにつれ、いつの間にか気に入って全アルバムを買う羽目に。そしてマイクのサイドプロジェクトのMR BUNGLEまでも揃える羽目に。今これ聴かないなー。

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 そうして突然変異的に現れたリヴィング・カラー。とにかくこれも凄かった。恵比寿かどっかでやったライヴも行った。最後、サイリウムを大放出してみんなそれを振りかざし、最後はボーカルのコリーがローディに肩車されて観客席を練り歩いた。ヴァーノン・リードの狂ったようなソロは必聴。しかし彼らもフィッシュボーン同様、現在ではあんまりぱっとしないようだ。客の少ないところでやっているライブ映像なんかを見ると、やるせない。

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 そんで似たような感じで出てきた24-7SPYS。このグランマ・ダイナマイトはサビでけっこう驚いた。今聴いてもカッコイイぜ!ギターがグリグリでスゲエ。    

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  最後は黒人ハードコアバンド、バッドブレインズでお別れしましょう。   

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さて、今度はどのムーブメントでお会いしましょうか。

 

 そんな僕が書いた音楽小説

ヘビーメタルにもムーブメントはたくさんあります。

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