音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

アマゾンでCDを買い、ブラックホールにはまる

 毎日が速い。加速度的に速く過ぎていく。

 年をとると本当に時間が経つのを早く感じる。

 何かの本で読んだのだが、それにはいくつか要因があって、これまでの経験時間がそのまま時間の感じ方に比例するのだとか、将来への先行きがある程度見えてしまっているからだとか。

 逆に子供は経験時間が少なく、未来の様子がつかめないために時間の経つのを遅く感じるらしい。

 あまりに時間が経つのが早いので時に奇妙な感覚に襲われることがある。

 例えばなにか楽しいことがあって、その瞬間は充実しているのだが、どこか自分でそれを味わいきれずに客観的にその時間を捉えている精神の働きがあって、「この出来事もすぐに過去のものとなる」という想いが頭の片隅に常にくすぶっているのだ。

 もちろん太宰治の『トカトントン』のように、その音が聞こえた瞬間に無気力になるわけではないんだけど、軽い喪失感のようなものを覚えるのも事実だ。

 そういうことがここ数年積み重なって得たのは

 「その時はいつか来て、必ず過ぎ去る」

という考えだ。「その時」は仕事上の面倒なことであったり、休日の楽しい時間であったりする。かといってそれをどうすることもできない。

 これってミドルエイジクライシスってやつですかね。

 しかしこの瞬間にも時間は過ぎ、刻一刻と自分の寿命は削られていっているのだ。

 哲学の本でも読めばいいのだろうか。

 とにかく、少しでも生を充実させることは必要なのだろう。

 ということで僕はCDを買い、音楽を聴き、本を読み、モノを書き、映画をたまに観てはささやかな人生の糧にしているのだ。

 

 そこで一番貢献してもらっているのがアマゾン。

 知ってますか、激安CDや激安本の世界を。モノによっては一円から本でもCDでも買うことができる。儲けのからくりは送料にあって、大手の業者はそちらで利益を得ているそうだ。

 僕はなんとなくつまらない日々が続くと、ついそんな激安CDを漁ってしまう。これもひとつのストレス解消法。

例えばこんな感じで買います。少し前に購入したほんの一部です。

 

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 シンバルスが急に聴きたくなって1STと3RDとリミックスアルバムを購入。集中的にはまる。耳障りはよいがその一方できちんとロックしているところがこのバンドのいいところ。ベースラインが懲りすぎ。そこがいいのだが。でももう飽きた・・。
 ダイナソーJRもオリジナルメンバーでいつの間にか活動再開していたので中心人物Jマスシスのソロと同時に購入。なんか音悪いんだけどわざとなのか?たまにダイナソーが無性に聴きたくなるんだよな-。
 レコード番長の須永辰緒のスナガTエクスペリメントも買う。そうして数回聴いて飽きる。又後で思い出したようにして聴く。その他ジャズ関係など。とにかく1円~300円のあいだでよさげなモノを見繕ってワンクリック!あとは届くのを待つ。

 またこんなのも。ちょっと古いですけど。

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 こちらはメタル系。きもちわるい人がこちらに手を伸ばしているのはベヒーモス。そつのないトリオ・ザ・デスメタルデス。
その右はディーサイドの「TO HELL WITH GOD」。相変わらず安定したオールドスクールデスメタルを聴かせてくれる。ここ最近のディーサイドの作品はクオリティが高く満足度高い。カンニバルコープス等は作品の出来がアルバムごとにばらつきがあるが彼らにはそれがないのがすばらしい。
 それからわざとなのかジャケットもタイトルもダサさ満点のリンプビズキットの「ゴールドコブラ」。アマゾンのお勧めに載っていて、評価を見ると、かなりの人が星五つをつけているので買い。知らない間に脱退していたギタリストのウェス・ボーランドが復帰しており、その効果もあってかなりの力作。

 今や死滅したと思われるラップメタルだが、どっこいひょっとして今までのリンプの最高傑作ではないのか?やっぱりリンプにはウェスのギターは必須だ。相変わらずの変態リフやペナペナギター健在。プロダクションかなり豪華なつくりで、腹にどっしり響く重低音サウンドがすげえ。 
 あとは小粒ながら迫力のある演奏と曲展開がそれなりのデビルドライヴァー。DVDがついているのを買うが字幕がなくてドキュメンタリーパートを見続けるのはかなり険しい。これ一枚あればイイかな。

 そしてDVDも買う。

 

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 知っていますか、「ブラックホール」。日本ではDVDが出ておらず、ずうっと観たかったのだがアマゾンUKにて500円程度で売っているではないか。ところが英語のガイドに従って注文したものの、どこをどう間違ったのか、はるばる海を越えて二枚同じモノが送られてきた!そういえば操作がよくわからなくて途中でやり直したのだがそこでどうやら二枚頼んでしまったらしい。イギリスに送り返すことも面倒だし、安いので勉強料と考えあきらめる。
 

 さてこの映画、何年か一度にテレビでやっていたので見たことがある人もいるでしょう。ロボットの声の吹き替えを竹中直人が個性的にやっているのもそれなりに有名。僕はこの映画を中学一年生の時、公開初日に新宿で父親と一緒に観ました。その夏にはスターウォーズ・帝国の逆襲が公開されていて13歳の少年は宇宙SFに非常に飢えておった。そしてなんとディスニー制作のこの大作映画がコマーシャルで放送されるやいなや「絶対観るう!」と誓ったのだ。

 土曜午前中で会社から帰ってきた父親に頼むと機嫌が良かったのか歌舞伎町まで連れて行ってくれた。

 さて映画はというと、暗黒の宇宙にグリーンのワイヤーフレームで描かれたブラックホールが登場。まずオープニングからして期待度大! テーマスコアが非常に壮大で何度聴いても飽きない。スコアはなんと007のテーマを作曲したジョンバリー。
 内容は探査船パロミノ号がブラックホールのそばを通ったとき、二十年前に失踪した巨大宇宙船シグナス号に偶然遭遇。このシグナス号にはパロミノ号唯一の女性乗組員の父親が乗っているという。つうかこの女の人おばちゃんだし。当時もどうしてこんなにかわいくない人をキャスティングしたのかよくわからなかったが、今もよくわからない。大作映画なのだが俳優にほとんど華がない。アーネストボーグナインとかロバートフォスターとかアンソニーパーキンスなど渋い人たちばかり。でも独特のビジュアルデザインやロボットの造形などは結構好きだ。

 しかし、少年が思い描いていたスペースオペラとは全く逆の方向に話は進んでいく・・。とにかく陰気で怖いのだ。

 シグナス号艦長はマッドサイエンティストブラックホールに突入することに憑かれており、惟一人でロボット軍団とその日を待っているという。しかし実はシグナス号の乗組員は全員ロボトミー手術をされ、それを知ったアンソニーパーキンスは艦長の護衛を務める凶悪ロボットマクシミリアンにドリルで体に穴を開けられ悶死。この辺からどんどん話が暗黒モードに突入。

 最終的にはブラックホールに突撃することになるのだが、因果応報でブラックホールに放り出された艦長と悪のロボットが最後になぜか合体して(本当に合体する!)ロボットの目の部分から艦長の目がギョロギョロ!この時点で俺の心臓恐怖でバクバク!そうしてなぜかブラックホールの果ては地獄へ続いており、その頂点に合体ロボットが仁王立ち。そのバックではジョンバリーのサウンドトラックのティンパニーがドーンドーンドーンドーン!とおどろおどろしく鳴り響き、全く持って意味不明。でもムチャクチャ怖い!と思ったら急に光り輝く回廊が現れそこに天使のような姿が現れ、結局再び宇宙の向こう側へと通り抜ける。まあ、YOUTUBEで見ようと思えば全編見られるのだが・・ 

 しかし妙にこの映画にとりつかれた僕はまず中学校のクラスの報告ノートみたいなヤツに見開きページでブラックホールに飲み込まれるシグナス号の迫力あるイラストを全力でドローイング。当然誰の反応もナシ。


・・とまあこのように思い出深い映画なのだが、いそいそとパッケージを開け、いざ見ようとしたら、ウチのブルーレイデッキで再生出来ず!なんだパル方式って。世界で規格統一してくれ。仕方がないのでパソコンで観る。

 今まで何度もテレビやビデオで観たが、やはりDVDは映像がきれいだ。

 しかし改めてみると無重力のシーンは全部宙づりで、腰のワイヤが丸見え。当時は全然わからなくて「すっげーどうやって撮ったんだろう?」と思っていたんだけどなあ。そうしてやはり最後のロボット合体シーンはドキドキしてしまいました。