音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

今はもう乗れないお台場・羊蹄丸の記録

 何となく昔の写真を見ていたら、物好きな僕、8年ほど前に一人でお台場へ行き船の科学館」を訪れていたことを思い出した。

          現在休止中。中は船のことだらけで途中で飽きた

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 それにしてもなぜか船の科学館の写真が一枚もないのだけれど、僕本当に見学したのだろうか?ひょっとして宇宙人に別の記憶を植えつけられているのでは?

 まあいいや。当時の目的は科学館よりも、そのそばに係留されていた「羊蹄丸」という船を見学することだったのだ。

          向こうの黄色い船が羊蹄丸。手前は「宗谷」。

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 2010年2月10日。この日に東京で友人たちと飲み会があって、そのついでにぜひ寄ろうと思っていたのだ。なぜかといえば、この「羊蹄丸」はB級スポット好きのあいだではかなり有名な場所だったのだ。だった、というのは現在既に羊蹄丸は解体され、乗ることができないのです。今振り返ってもこの時に訪れておいてよかった!

 では、なぜこの古い青函連絡船が妙な人気を博していたかというと、中にある「青函ワールド」というエリアが妙にモヤモヤした雰囲気を持っていたからだ。

 そこは昭和30年代の青森の様子が再現されていて、その展示が絶妙であるという情報を僕はネットで嗅ぎつけたのだ。

 それでは40男が一人で嬉々として展示を楽しむ様子をご覧下さい。

 

   ゆりかもめ代をケチったためにかなりくたびれた僕です。

    科学館から見えるインダストリアルな港湾風景がなかなか郷愁を誘う。

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 日曜の午後だというのに人影ゼロ!お台場なのに人ゼロ!どんだけ人気ないんだ。

      そのおかげで自撮りをしても恥ずかしい思いをせずに済んだ

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  さて中に入ると沖田艦長らしき人が出迎えてくれたのだけれど

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 なにやら色々話し始めたのだがたわごとなので無視。先に進むとイルカライディング体験マシーンとかいろいろおもしろアトラクションがあり、誰もいなかったので何回も機械のイルカにのった自分をセルフタイマーで撮ったりして(バカ)たんだけど、結局満足のいく写真は撮れずじまい。残念。
 そんでいよいよ本来の目的である通称「青函ワールド」へ。船を下に下りると、いきなりこんな世界が現れる。

           スピーカーから延々青森弁で話しかけられまくり

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  そうして次へ進むと待合室を再現したおもしろ展示世界。

 寒うございますねえ。ところで、いかした赤いセーターはどちらのブランド?(ひとりで撮ってます)

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     おかあさん、僕にも一口くださいよ!(セルフタイマーでひとりで撮ってます)

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   大したキャプションを思いつけず、今少し落ち込んでます。

 

ちなみにここ↓は当時の「かつぎ屋」と呼ばれるおかあさんたちが担いだ重さが体験できるコーナー。 

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40キロ、60キロ。80キロとそれぞれあるが、当然40キロすら担げず。しかたがないので架空の荷物を担いでいるふりをする。

             当然、誰もいないのでひとりで撮ってます 

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 今こうやって写真を見直しても、かなり充実していた施設だったことがわかる。もう一回くらい行きたかったなー。次はブリッジの部分とディーゼル車のセット。

お姉さんの肩に着やすく手を回す妻子持ち中年。直後に張り手! f:id:otominarukami:20180211210106j:plain f:id:otominarukami:20180211210130j:plain

 

    待合ではおじさんが注文したカレーを食わずに爆睡。

  洒落たチェックの上着。カフス付きのシャツでこちらもオシャレ。あと顔がでかすぎる

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まあ、他にも色々あったけどこのあと人が来たので(つうかその人も男一人。同じ趣味の人と思われる)自撮り終了。

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 このあと誰もいない休憩ラウンジで缶コーヒーをすすりながら思わず「いやあ、今日はすっげ充実してるなー」と独り言が出た。

 

       最後に操舵室も独占。僕がこの船を操るんだ!

            お察しの通り、ひとりで撮ってます

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    トイレがいかにも船という感じでした。あと模型。

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 これを見て、ああ、行ってみたかったなあ、という方、朗報です。この展示なんと青森県に移設されていました。

こちらのHPで詳細がわかります。八甲田丸という船の展示として見られるそうです

www.aptinet.jp

 

あしたはおまけの宗谷レポートです

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バウ・ワウ・ワウ/ジャングルビートでGOGOGO 僕の80S

 バウワウじゃないよバウワウワウだよ。

 30年近く前、当時洋楽情報を観ていたらこの曲です。

     


 ラテンのリズムに手数の多いベース、キャッチーなメロディー。途中「パラッパッパッパララ」のところでメシを口にほおばったままこちらを観る顔には何となくむかついたが曲そのものは良い。

 そもそもこのバンドボーカルのアナベラが確か14歳。で、いきなりファーストアルバムのジャケットがマネの名画「草上の昼食」そのもののパロディとなっており、アナベラの姿が話題になって脚光を浴びた部分もあった。

 

 しかしそんな話題作りの部分以外で音楽はジャングルビート主体でやたらとリズミカルだ。それもそのはず、元アダムアンドジアンツのメンバーが参加しているのだ。その後確かパルコのバーゲンの宣伝のBGMとして「ティーンエイジクイーン」がよくテレビでかかっていた。パーキージーンという資生堂のコスメブランドの宣伝だったからか、歌詞が「パキージーン!」となっていた気がする。

 その後たまたま中古レコードで買ってたまに聴いていた。

           ヤッ、ター ヤッ、ター  ヤッ、ター  ヤッ、ター 

   www.youtube.com

         

 カセット文化の到来を予兆したデビュー曲「C30 C60 C90 Go!」。レコードは時代遅れよ!と歌っている割にレコードで出すという矛盾。なんだかんだ言ってバッキングはアダム・アンド・ジ・アンツっぽい。

明治初期にこれからは言文一致小説の時代だ!と坪内逍遥が小説真髄に文語で書いていたようなものか。

      www.youtube.com

 

こちらは哀愁漂う「チワワ」。

                    ちわーわー

     www.youtube.com

 

    そして、最もバウワウワウらしいい「プリンスオブダークネス」

             これは聴いたほうがいいですよ!カッコイイ!

    www.youtube.com


 どの曲もいいのだがいかんせん同じようなものが多くたまに飽きるものもある。しかしベースのフレーズとドラムのどんどこどんどこいうジャングルビートは独特の個性があってクセになる。

 何年か前に、確かギターの人が糖尿病か何かで死んでしまったのが、なんと今でも現役で続いている・・・らしいです(あやふや)。

 

じつは仕事のストレスと体調の悪さでつらいです

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パパは娘をコーディネイト

 

 我が家は今でもそうなのだけれど、パパである僕が主に娘の服を選び、買う。最近は本人たちや妻の意見がやや強くなっている傾向があり、それも致し方ないかと思うけれど、それでもまだ一緒に買いに行ったりネットで選んだりする。

 特に娘たちが小さかった頃は僕の独擅場だった。妻は服を買ったり選んだりするのが面倒だったようで、僕が嬉々としてオークションやショップで子供服を買うのを容認していたのだ。

 以前にもちょいちょいこんなのを書いてますけど

www.otominarukami.tokyo

 

 昔つけていたMIXIの日記を見ると、まあオークションでよく買ったこと。そもそも自腹だった。その一部をそんなに見たくはないでしょうが、お見せします

 

 まず、ワンピース。ソニアリキエルとか、フェリシモなどのブランドだけれど、ほとんどオークションだったので300円〜1000円くらいで手に入った。8年くらい前だけれど、ほぼ毎日娘のためにウォッチリストに入れてはチェックし、落札してモノが来るのをワクワクして待っていた親バカパパ。

             今は二人ともワンピースなど着ない

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              次はトップスです。

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     左端のカラフルなセーターを着た状態がこちら

           上から下まで全て僕の見立てです

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 僕が僕の好みで買うので、僕の好きなブランドを反映してます。さすがに最近は年なのであまり着ることもなくなってきたのですが、ロックテイストバリバリの「ヒステリック・グラマー」を好きだった僕は、娘たち用に「ヒステリック・ミニ」(ヒステリックのお子様版)をよく買った。

 

      おそらくブランドデザインチームがデザインしているでしょうけど

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 ただ、正規の店で購入したことは一度もない。全てオークションで買いました。だってTシャツ1枚数千円するんですよ!多分上のセーターをまともに買ったら1万円超えだろう。しかしやはり値段に見合った質とデザインセンスは素晴らしい。セーターは何回洗っても全然ヘタレない!

 ちなみに、ヒスミニには「ミニちゃん」というサングラスをかけておしゃぶりをしゃぶっているキャラがいるのだけれど、そのキャラが入るととたんにヤンキーチックになってしまうので僕はその手の服は買わなかった。やはりロックテイストが散りばめられたものがかっこいいんだな!

 

         実際に着せるとこんな感じでした。

「METAL」なんて書かれたタンクトップ、ここしか作ってない!あと右はチャーリーブラウン!

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 スカートにブーツを合わせるのが好き。右のブルーにロゴがプリントされたセーターは確かカシミア入りだった。刺繍糸にはラメが織り込んであるという凝りよう。どうしても落札したかったこのセーター、オークションでも3千円くらいじゃなかったかな。

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  そういえば、公園にまだ小さいふたりを連れて行ったときのこと。

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公園内の自販機がこんなふうにぶっ壊されていてビビった。どんな強硬手段だ。手に入る金額に対するリスクが高すぎるでしょ。

              バールか何かでこじ開けたのかね

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 一見地味なこちらのTシャツはなんとアンダーカバー!妻の古い知り合いにアンダーカバーのパタンナーがいて、これをくれた。ラッキー!わかりづらいけれど独特のプリントや生地感はさすが。

   アンダーカバーはユニクロとコラボしたUUが非常に良かった。またやらないかな

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   それにしても一体僕は彼女たちのために何着買ったのだろう?

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     こちらは靴。なぜか下の子はナイキのマークを「ばにお」と呼んでいた。

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 昔ほどの情熱はないけれど、今でも子供たちの服を選ぶのは楽しい。元気に育て!

 

ツイッターとかでつぶやいてください

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お気に入りアンドおすすめのオールドスクールメタル

 僕はヘビーメタルが好きだ。

 ただ、一般に「ヘビメタ」呼ばれ、汗臭くやかましいと思われがちなこのジャンル、実は様々に細分化し、メタルの中でもその好みは各人によって違う。

 

 現在の僕は50近くにもなって、「スラッシュメタル」「デスメタル」「デスコア」などと呼ばれる、ファストかつブルータルなジャンルをメインに聴いている。

 30年以上前から色々なメタルを聴いてここにたどり着いたので、じゃあ、その始まりはどこだと考えたとき、いくつかの懐かしいバンドや曲が思い浮かぶ。

 

 この曲を聴いたからメタルに目覚めた、という経験がどのメタラーにもあるはずだ。もちろん僕もある。まずはなんといっても高校生の頃に聴いたこちらが僕のメタル始めだろうと思う。レインボーの『デス・アリー・ドライヴァー』だ。

                  みんな若い

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 今聴くとそれほど激しいわけでもなく、メタルというよりはハードロックに近い。しかし当時の僕はニューウェーブやUKポップにどっぷり浸かっていて、シンセサイザーの鳴らない、ギターバンドの曲はあまり好みではなかった。

 たまたま何かの番組でこのPVを「ふーん、ヘビメタかー」と何も考えずに見ていた。しかし!1:58当たりで入ってくるリッチーのソロにブッ飛んだ!

 バロックのフレーズを組み込んだクラシカルなソロに度肝を抜かれたのだ。こんなの僕が今まで聞いていた音楽の文法にはなかった。たまたまこの曲を録画していたおかげで僕は日に何度もこのビデオを観た。そしてすぐに来日記念盤である『デスアリードライバー』のシングルを買ってまた何度も聴いたのだった。

こちらはMP3ですが

Death Alley Driver

Death Alley Driver

 

  こうして僕はメタルに対する興味がわいてきたのだ。次にはまったのはこちら。

  いかにもメタル!なリフに伸びやかなヴォーカル。当時のヘビメタのイメージまんま!

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 実はY&Tに関してはこの曲しか聴かないです。しかしこの曲のインパクトは強かった。PVも80年代全開で、僕は弟とビデオに出てくる美女が右手をグーパーしている真似を良くしたものだ。そしてネックに取り付けられたカメラが奇妙なカメラワークでソロを捉える様子を「カメラギター」と名付けた。名づけたからってどうになるものでもないけど。

 

 そしてこの曲が決定的だった。アクセプトの「FAST AS A SHARK」。

最初のドイツ民謡は無視してしばらく聴いてください。すぐに「うぎゃー!どこどこどこどこ」ってなりますから。

              パワーメタルの古典中の古典

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 ちなみにこの曲のソロ前のブリッジ部分のリフ(2:10あたり)はアンセムの「ワーニングアクション」という曲とそっくりです。

               彼らも意識したと思うのですが

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 あとはメタルではないけれども、ナイトレンジャーのこちら

         イントロがシブがき隊の楽曲と全く同じでびっくり

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 キャッチーなのに、必要以上に長いソロがすごい。

 この他にもジャーニーやヴァン・ヘイレンなどのハードロックを通じて僕は徐々にギターロックに目覚め、友人のやっていたラウドネスバンドにノックアウトされ、そのまま現在まで様々なメタルを聴き続けてきたわけです。

               これもまた衝撃的だった。

    www.youtube.com

そうして僕はジャパメタに傾倒し、こちらの記事へと続くわけだ。
www.otominarukami.tokyo

 

願わくば、どなたかが今回の記事の曲を聴いてメタラーになりますように。

 

メタルありきの小説

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NIRVANA/ ニルヴァーナ インセスティサイドとイン・ユーテロ、そしてその後

 

 

 ニルヴァーナが『ネヴァーマインド』で世界を席巻していた当時、僕は手に入るCDは全て揃えた。その中でも少し特異な位置を占めるCDがこちらの『インセスティサイド』だった。

インセスティサイド

インセスティサイド

 

 ジャケットはカートのドローイングだ。カートは歌だけではなくアートの才能も兼ね備えた根っからの芸術家だった。

 要はこのアルバムは未発表曲やB面の寄せ集めであり、レコード会社(ゲフィン)がリスナーの関心をつなぎとめるために制作したらしい。また、ゲフィンの前にニルヴァーナが在籍していたインディ・レーベル「SAB POP」が音源をリリースしようとしたのでそれならばとバンド側も出したらしい。

 

 『ネヴァーマインド』とは違いアクの強いアルバムだが当時の勢いに乗って売れたんだろうな。 

        こちらは中ジャケ。歴代のメンバーが載っている

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  一曲目、二曲目はすでにシングル「SLIVER」を持っていたので知っていたのだがそれ以降の曲は荒削りでなおかつパンキッシュな曲が満載。

    こちらは3曲目の「ステイン」カッコイイぞ!ドラムはおそらくチャド・チャニング

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4曲目の『BEEN A SON』。レディングフェスティバルでのライヴ。この頃のカートの状態はヘロインでひどかったらしい

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 最初は彼らのオリジナルかと思っていた「モリーズリップス」。なんと本家のヴァセンリンズが登場。コードが2つしかない!

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 このようにニルヴァーナは積極的にアンダーグラウドの素晴らしいバンドたちのカヴァーを通してその手の音楽を知らしめようとしていた。

 僕も彼らがきっかけでマッドハニーやスクリーミング・トゥリーズ、バットホール・サーファーズなどを知った。

 

MUDHONEYのサック・ユー・ドライ。グルーヴィーかつクール!特にサビのドンタタドンタタが好き!

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こちらはバットホール・サーファーズ。気持ちのいいエイトビートパンク。なんとのっけからレッチリのフリーが友情出演。Im flying!

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バットホール・サーファーズは多方面からリスペクトを受けていてミニストリーのアルバムにも参加している。

 こういうバンドを色々あさると、思わぬところにたどり着くから面白い。僕はグランジを聴いて得た最大の収穫はBLIND MELONだと思っている。

    グランジかというとそうではないけれど。彼らは別格なのでまた別の機会に書きます

   www.youtube.com

 

 

 

 『ネヴァーマインド』の爆発的成功の一方でカートは狂騒の中で過ごすことになり、神経を病み、胃痛に悩み、ヘロインに手を出していく。バンドは荒れ、ライヴは毎回ドラムセットや機材の破壊で終わる。そのいきさつはこちらの本にかなり詳しく書かれている。

 ほぼバンドの歴史と内情が網羅できる、素晴らしい著作。読み始めると止まらない!これと合わせてバンドのドキュメンタリー「モンタージュ・オブ・ヘック」を見るといかにカートがギリギリの状態であったかがわかる。

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病んだ魂―ニルヴァーナ・ヒストリー

病んだ魂―ニルヴァーナ・ヒストリー

 

 彼の一人娘フランシスが関わっている作品。ガス・ヴァン・サントの『LAST DAYS』よりわかりやすい。

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 そうした中、娘が生まれたカートは人生の意義を改めて考えるようになり、それに伴いバンドは元気を取り戻し始め、『イン・ユーテロ』という素晴らしい作品を発表する。

イン・ユーテロ

イン・ユーテロ

 

 スティーヴ・アルビニによるミックスは、ドラムの音がずんずん響くビッグサウンド。スケール感が増しているが曲は1ST寄りでアンダーグランドぽさも残している。しかし、曲には大物の貫禄が滲み出ている

      この頃はギターにパット・スメアーを迎えてライヴをこなしていた

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 このアルバムから唯一作られた公式PV(でいいんだよね?)のHEART SHAPED BOX」。何かの賞をとったらしいけどうろ覚え。曲はもちろん素晴らしいの一言。これからの彼らの可能性を示唆する雄大さを持った名曲。

ベースラインがよく練られている。音も最高、クリス、頑張った。4:22あたりで、クリスがデイヴの肩に手を回すその一瞬の絵がなんとも切ない

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 そのあとにMTVで数多くのアーティストが名演を残すので有名なアンプラグドシリーズにも出演する。

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 二十数年前のある夜、僕のアパートに遊びに来た後輩が開口一番言った。

ニルヴァーナのヴォーカル、自殺したって知ってました?」

「・・・え、マジで・・・」

 絶句する僕。

 別にそのニュースで泣くとか、そういうわけではなかったけれども、相当のショックを受けたのは事実だった。

 

 とはいえ、これからも僕はニルヴァーナを聴き続けるだろう。今も聴いている。

 

 カートの死後に出された未発表曲、「You know youre right」。こんないい曲を作る才能が失われたということは本当に残念だ。

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おまけ。シングルボックスの中身はこんな感じ。ジャケットデザインはほぼカートの手によるものだろう。素晴らしいセンスの持ち主だ。

       上に置いてある白黒の「SLIVER」は含まれません

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グランジではありませんが

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速報!BANDーMAID新PV『DOMINATION』

こんな時間に失礼します(現時点で深夜12時43分)。

来週の新譜発売を前に、BANDーMAIDのニュープロモがアップされましたよ!

        この絵すごいね。かなみんちょソロ弾きまくり

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    カッコいいぜ!BANDーMAID!

 途中でドカドカとスピードメタルになる部分や相変わらずのトリッキーなギターとベースの絡みとか、バンドメイド節が炸裂。2月14日のバレンタイデーが発売日です。僕はもちろん予約してますよ。

 初回盤はすぐに売り切れる可能性アリ

WORLD DOMINATION(初回生産限定盤B)

WORLD DOMINATION(初回生産限定盤B)

 

 

妙にシンクロしていたと当時思った

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ニルヴァーナ/NIRVANA ”BLEACH”のころ

 

 

 

 ご多分に漏れず「スメルズライク~」でニルヴァーナにハマった僕だけれど、他の楽曲を知るにつれて、さらに彼らの魅力に取り憑かれた。

 1STアルバム「BREACH」に漂うアンダーグラウンド感は、抑えきれない衝動のはけ口を音楽に全てぶち込んだ、暗くハングリーな若者たちの精神をそのまま反映したものだ。妙に明るい「ネヴァーマインド」とは全く別のベクトルを向いた、この少々とっつきにくいアルバムの方が僕は好みだ。そういう人、結構いるんじゃないですか。

 ジャケットからして暗い 。いつの間にかリマスター盤が出てる!買うか・・・

BLEACH: DELUXE EDITION

BLEACH: DELUXE EDITION

 

  この頃はまだサイドギターがいたんだよね。ドラムもデイヴ・グロールではなく、チャド・チャニング(かわいそうに彼だけロックの殿堂入りができなかった)。音質も決して良いとは言えないけれど、ダークな雰囲気やクセのあるリフが満載されている傑作だ。

              アルバムの冒頭を飾る名曲。

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     メタルチックなリフでひたすら押し続ける「SCHOOL」。

         デイヴのドラミングが冴えまくっている

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    どっしりと響く低音がパワフルなネガティヴ・クリープ。

      要所要所に挟まれる「きゅいーん」という音のセンスの良さ

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 彼らのオリジナルではないけれど(ショッキング・ブルーというバンドの曲)ほぼ彼らのオリジナルのように捉えられているLOVE BUZZ。映画「MAD LOVE」で挿入曲として使われていた。   

          最後の方とかチューニングがもう滅茶苦茶

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 それにしても、あまりにビッグになりすぎたバンドを取り巻く状況からのフラストレーションなのか、カートの初期の頃からかなり破滅的だったステージングが狂気さえも感じさせて後の悲劇を連想せずにはいられない

     ドラムを破壊されたデイヴは早々に引っ込む。どういう心境だっただろうか。

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 ニルヴァーナ(=カート)のこのような自己破壊的行動を見るのは辛い。初めてドラムダイヴやライヴハウスをめちゃくちゃにしている写真を見たときの衝撃はものすごかったけれど、今見直してみるとなんだか痛々しい。

            インセスティサイドの裏ジャケだったかな

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 ショウとしての楽器破壊はピートタウンゼントやリッチーブラックモアをはじめとしてNINなど多くのロックバンドがやっているけれど、ニルヴァーナの場合は度を越している。公式のDVDにはカートがライヴのセキュリティをギターで殴って流血させ、逆にカートが殴られ演奏が中断する場面まで収められている。

               何度も観た

ライヴ!トゥナイト!ソールド・アウト! [DVD]

ライヴ!トゥナイト!ソールド・アウト! [DVD]

 

まだ続きますよ 

 

僕の書いたこの小説では女子高生がドラムダイヴをします

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